お別れ そして志を繋ぐ式
イベント扱いするのは不遜だと思うのですが。
日時:2019年11月3日(日)・4日(月・祝)
10:00~17:00(最終入場 16:00)
主催:株式会社京都アニメーション
「お別れ そして志を繋ぐ式」実行委員会
京都アニメーションについて
「ハルヒ」や「けいおん」は見てたけど、特に京都アニメーションのファンというわけではありませんでした。「ユーフォニアム」の一話見て、あまりの美しい光景に恐れおののいて、逃げ出してしまった輩なので。
とはいえ、京都アニメーションの素晴らしい仕事っぷりと野心的な戦略は、京都の(薄いですが)アニメも見る人間としては、誇りであり、自慢でもあったわけです。
事件のときは、行き場のない感情にどうしていいかわからなくなって。単純にネットやらにボケカス言える人間だったら楽だったのでしょうけどね。気持ちを整理するのが大変でした。
こういうときは歴史に学ぶのがセオリー。幕末に御所焼かれたとき、当時の人も同じように思ったんだろうな、と思ったら、なんとか心の落ち着きどころを見つけた感じでした。
経緯
このような中途半端な立ち位置のため、京アニの過去作品を見て、心のよりどころをみつけることもできず、時間の経過である程度落ち着いたものの、ずっと心の底にくらい気持ちが沈んだままで。
京都の人間、ひとりの人間としていくべきだろうと思ったのと、自分のために行くべきだろう、ということで行きました。
思ったこと
恐らく「イベント」として消化されるのを避けたためか、記念、記録の写真をとれるようなものは一切ありませんでした。
自分の感情としては、現場でおわかれをつげたのは5分とか、そんなものだったのですが、気持ちに一区切りというか、消化できたものがあり、行ってよかったと思います。
わたしが行ったのは、4日の午後。アナウンスで「分散に協力してほしい」との声明があったので、アクセスに負担が少ない京都在住の我々が配慮すべきだろう、と思い、この日、この時間を選びました。
現地までの道のりや現地は、そこそこ人がいる感じで、迷惑にも負担にもならず良かったです。
現地ではスタッフの方が誘導してくれるのですが、我々一人々々に頭を下げてくださって、丁寧な対応が心に沁みました。
結構大回りして祭壇に行く感じなのですが、誘導もしっかりされてました。
ルートには、ファンから寄せられた手紙やイラストなどが掲示されていたのですが、わたしはわたし個人として向き合いたかったので、そちらに目を向けることはやめて、直で向かいました。負の感情の共有は、なにもいいことを生まない、という個人的信念でもありまして。
祭壇でじっくり、ゆっくりご挨拶、お祈りをさせていただきました。短い時間でしたが、ここに機会をもらえたことは自分的にはとても良かったと思います。祭壇の写真は公式にもUPされているので、いけなかった方も参照ください。
このあと、スタッフの先導に従って退出させていただきました。
写真を見てもらってわかることなのですが、おのおのの犠牲者の方々に関するものは一切なくて。報道の問題とかもあると思うのですが、これが事件でなく、普通にお亡くなりになられたり、あるいは事故であったならば、われわれ浅いものでも、生前になしとげられたこと、われわれに与えてくれた喜び、あるいは未来になしとげなれたであろうこと、それらについて深く感謝や想いを込めることができたわけで、そこがなにより悲しかったです。こんなはずではなかったと、こんなことは望んでなかったと。
報道で名前は出ているので、熱心なファンの方はそれぞれの方に思いを伝えることはできたのでしょうが、もっとみんなで感謝を告げられてよかった、もっとみんなで悔やんでよかった、と。
帰り路は、観光客の楽し気な様子に、負の感情爆発しそうで、弱い自分に悲しかったですね。
もうこんな式をしないといけないような事件は二度と起こってほしくないですが、てろですからね。祈るしかないです。法で縛っても穴は絶対に出てきますし、みんながみんな、それぞれを警戒しあうような世界は悪夢です。それは京都アニメーションの方も望むものではないでしょう。
この式を機会として、わたしも京都アニメーションと歩んでいけたらいいな、と思います。負けたくない。