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10:00のブログです。楽しみの話など。

NHKはバーチャルYoutuberに何を求めてるんだろう

NHKバーチャル紅白歌合戦を見て、思ったこと

www6.nhk.or.jp

バーチャルvsリアル、バーチャルはリアルを超えられるか、がコンセプト。だがそれだけか?

バーチャル紅白歌合戦、楽しかったですね。推しが出てないことに嘆きつつも、Vtuberのパフォーマンスにエキサイトし、オーイシさんの馴染み具合に笑ったり、細川たかし御大が歌うヤマトに目を疑ったり。

バーチャル勢とリアル勢の対決番組のフォーマットですが、バトルは雰囲気は一切なく、リスペクトと興味にあふれた番組作り。まあ本家紅白歌合戦も、どっちが勝ったなんて誰も気にしない番組ですし、フォーマットに沿っただけ、と言われればそのとおりですが、なんというか、意志というか、願いみたいなものを感じたのですよね。

わかりやすい理由というか、おそらく企画を通した一番の狙いっていうのは、20代の視聴者にリーチしたい、ってことでしょう。Vtuberはその世代に一番熱い支持層を持っている、と言われているので。また課金に抵抗が薄い世代でもあるので、お眼鏡にかなう良い番組を届けることができれば、文句言わずに金払ってくれる人たちでもあります。ゆえに去年の「のど自慢」、「沼」、そして今回の「紅白」なのでしょう。一番頑張ってもらわないといけない「国民」でもあるので、国営放送としてそこに熱い眼差しを向けるのは当然の話で。

でもそれだけ?

線で見てみる

若い世代に見てほしい、だけじゃないものを感じたので、1年前に行われた「バーチャルのど自慢」との比較で見てみようと思いました。セットリストどうぞ。

2019 バーチャルのど自慢

ミライアカリ/学園天国 1974
剣持刀也/HOT LIMIT 1998
ばあちゃる/男と女のラブゲーム 1986
月ノ美兎、樋口楓、静凛/キューティーハニー 1973
道明寺ここあ/愛をこめて花束を 2008
アメリカザリガニ/雪椿 1987
富士葵/ラブ・イズ・オーヴァー 1979
電脳少女シロ/Let It Go 2013
ときのそら/空色デイズ 2007
ピーナッツくんと甲賀流忍者ぽんぽこ/おどるポンポコリン 1990
バーチャルゴリラ/なごり雪 1974
YuNi/Precious(伊藤由奈) 2006
ヒメヒナ/ライオン 2008
キズナアイ/おもいで酒 1979
小林幸子/千本桜 2011

2020 バーチャル紅白歌合戦

「バーチャルvsリアル、バーチャルはリアルを超えられるか」
副音声 月ノ美兎、白上フブキ

ヒメヒナ/ヒトガタ Rock.ver(オリジナル)
西川貴教/Bright Burning Shout(オリジナル)応援V:Minami(湖南市公式)、ピーナッツくん、甲賀流忍者ぽんぽこ
樋口楓/空色デイズ 2007
スカイピース/雨が降るから虹がでる(オリジナル)
ピンキーポップヘップバーン/宿命 2019
オーイシマサヨシ/ようこそジャパリパークへ 2017
Punky Fine featuring 電脳少女シロ/WON'T BE LONG 1990
森口博子/水の星へ愛をこめて 1985
ものまね芸人によるスペシャルコーナー:田島直弥(アイデンティティ
アムラ/HERO(安室奈美恵)2017年度版~杉野ひろし/恋(星野源)2016年度版~カトリーナ陽子/プレイバックPart2(山口百恵)1978年度版~筍/夢で逢えたら(鈴木雅之)1996年度版~一木ひろし/よこはま・たそがれ(五木ひろし)1971年度版~Mr.シャチホコ/あの鐘を鳴らすのはあなた(和田アキ子)1991年度版
りんごちゃん/贈る言葉 1979
カルロ・ピノ、もこ田めめめ、八重沢なとり、花京院ちえり、北上双葉、神楽すず(アイドル部)/学園天国 1974~セーラー服を脱がさないで 1985~ヘビーローテーション 2010
富士葵/愛燦燦 1986
細川たかし/宇宙戦艦ヤマト 1974
Kizuna AI/AI AI AI(オリジナル)
紅組のみなさん/パプリカ 2018
高橋洋子/残酷な天使のテーゼ 1995~魂のルフラン 1997

各曲の後ろにある数字は、オリジナルのリリース年。ものまね芸人さんのところに~版とあるのは、過去の紅白の思い出、とのことでしたので、それを入れてあります。歌唱にそこまで反映させてるかわかんないですけど。

誰が残り、何が残ったのか

去年の「のど自慢」から引き続き、アーティストとして出演しているのは、樋口楓、富士葵、電脳少女シロ、ヒメヒナの4組。キズナアイ親分については、前回は司会で、歌も歌うよポジションから、今回はアーティストKizuna AI(クレジットもそうなってる)なので、まあ大御所ですな。元祖というか、第一人者なので、それ相応の扱いをする、という。シロさんも前回は洋楽、今回はコラボで驚きの歌唱を披露、という、驚かせ枠というか、まあ四天王ですし、「撮れ高の化け物」みたいな扱いなのでしょうか。

前回出場で、今回ゲスト枠になっているのが月ノ美兎(副音声)とピーナッツくん、甲賀流忍者ぽんぽこ(応援出演)の2組。

歌で引き続き歌われたのは、学園天国と空色デイズ。前者はものすごく愛されてるイメージがあります。後者はアニソンのカバーの定番といった印象。世間一般の定番と、アニソン界の定番ということで残ったのかな、と思います。

なにか始まるのではないか

セットリストを見て思いませんでした? 年代が散ってるな、って。

他のこの手の番組を今回のように分析というか、細かく見てみたことがないのでわかんないのですが、とくにのど自慢の方はえらくバランスよく年代ごと、さらにいうと5年区切りでバランスよく配置されてるなあ、と。

今回の紅白も、ヒメヒナのオリジナルからはじまり、定番化していて年代を超越している空色デイズを飛び越えて、オーイシさんまでいったあと、WON'T BE LONGから一気にさかのぼっていく様は、なにがしかの意図を感じちゃいます。年代の音作り、トレンドってあるので、サウンドの馴染み具合から作った流れなのだとは思いますが。

最後の二人は特別枠的な趣がありますので、細川たかし御大をラストと考えると、トリは一番古い曲であるヤマトなんですよね。のど自慢の最初が学園天国で、同じく1974年の曲なので、セットで考えると、同時期の曲で始まって終わってる。そこから、若い世代に昔の曲と伝えたい、音楽の架け橋を繋ぎたい、という意志を感じたのです。妄想かなあ(笑)

そこから、NHKは週一は無理にしても、月一くらいで、Vtuberが古い曲歌ったり新しい曲歌ったりする番組を始めるんじゃないかな、と思ったのです。

NHKはドキュメンタリーや報道各種を見てわかるとおり、文化事業的な番組作りも得意としていますし、おそらくそれが使命でもあります。

「国民的ヒット曲が生まれなくなった」といわれて久しいです。そんな中で、日本の音楽遺産を、次の世代に届けることを使命に感じているんじゃないかな、と思った次第。それが実現したら、素晴らしいことだと思います。

妄想ごめんね。最後に

のど自慢と紅白に両方出ているVtuberは、次のプロジェクトのレギュラー格として「押さえられてる」人材ではないかな、と考えています。富士葵さんは実質トリなので、音楽性のリーチの広さから、歌方面のメインなのだろうな、と感じてますし、他のVtuberさんもだいたい期待役割が見えるのではないでしょうか。司会というか、番組のナビゲーターの役割を、キズナアイ親分に任せるのか、あるいは月ノ美兎さんあたりにゆだねるのかはわからんのですが。親分はてぇてぇTVのフリーダムな印象が強すぎてね(笑)

古い時代の曲や、歴史的定番曲をカバーする番組を作るのは、民放やネット番組では厳しいと思います。音源の都合とかもあるでしょうし、やっぱ知らん曲より知ってる曲の方が食いつきが良いのは事実。視聴数や接続数を意識しないわけにはいかないので。なので、わたしの妄想が実現したらいいな、って思います。Vtuberが文化になるには、他の文化に学ぶのが一番ですし。

またたぶん、わたしが思うに、まだVtuber側の人材が足りてない。Youtubeで回転数が上げやすいという事情で、流行りの曲や定番を歌う傾向が強いので、プロデューサー側にポテンシャルが伝わってないのでは、って思います。音楽性の面でも歌系Vtuberさんがいろいろチャレンジしてくれたらいいな、って思います。CDシングルみたいに、2曲セットで上げたらいいじゃない。有名/定番曲とチャレンジな曲をセットでひとつの動画にしたらよい。

長々とわたしの思い付きに付き合ってくださってありがとうございます。NHKでレギュラー番組がはじまってくれればいいな、と思いますし、わたしの推したちがそのステージに上がれたらめっちゃうれしい。

そんな夢見まくりなわたくしでした。ではー